基本情報
公開年:2006年
上映時間:110分
ジャンル:ドラマ
監督:デヴィッド・フランケル
脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ
原作:ローレン・ワイズバーガー『プラダを着た悪魔』
主演:アン・ハサウェイ(アンドレア・サックス役)
:メリル・ストリープ(ミランダ・プリーストリー役)
「プラダを着た悪魔」はハンター田中が映画を好きになるきっかけでした。
私もアンドレアのようにファッションに興味がない人間だったため、一流の業界人が仕事に対して猛烈な熱量をもって取り組む様は非常に刺激が強く感じました。
また、主演のアン・ハサウェイがファッションに目覚めて、多くの衣装を着回すシーンは美しく惚れ惚れします。
あらすじ
舞台は華やかなファッション業界、ニューヨークに住むアンドレア・サックスはジャーナリスト志望でファッションに無頓着でありながら、世界中の女性が憧れる一流ファッション誌『ランウェイ』で編集アシスタントとして働くことになります。
アンドレアは自身のキャリアのためにカリスマ編集長ミランダ・プリーストリーの元で働きますが、彼女は何人ものアシスタントを離職させてきた悪魔的な性格の上司でした。
ミランダから認めてもらうために、私生活を切り捨ててアンドレアは奮闘していきますが、彼氏や友人たちとの人間関係は悪化の一途を辿ります。
アンドレアは仕事とプライベート、自身の本当に望むものは何かを考えることになります。
エピソードに対する考察
■アンドレアの異変と混乱
当初のアンドレアはファッションに全く興味がなく、類似したデザインのベルト1つ選ぶのに大人が大人数で悩む姿を滑稽に思います。しかし、それではミランダに認められないことを理解し、変わることを決意します。特にナイジェルが彼女を変身させるシーンは、自分を見つめ直し、業界に適応しようとするアンドレアの成長を象徴しています。
仕事に没頭しすぎて、彼女の本来の夢や価値観がぼやけていく様子は、現代社会におけるキャリアと自己実現のバランスの難しさを描きました。特に、彼氏との別れや友人との摩擦が、仕事とプライベートの間で揺れ動くアンドレアの心をリアルに表現しています。
■ミランダ・プリーストリーの冷徹さと孤独
ミランダは冷徹で非情なボスではありますが、物語が進めば彼女自身も業界で成功を維持するために多くの犠牲を払っており、その裏には常に孤独が存在します。
特にミランダが夫との離婚に見舞われるシーンでは、彼女の弱さが見え隠れし、アンドレアが自分の未来を見つめ直すきっかけとなる。 このエピソードは表面的な成功の裏にある代償や、キャリアとそれ以外の重要な事のバランスを取ることの難しさを表現します。
■キャリアと自己実現の狭間での選択
物語のクライマックスでアンドレアはミランダに認められ、ファッション業界での成功の道を掴みますが、彼女は自分が本当に望む道を考え直します。そして掴んだ成功の道を捨て、ミランダのような生き方を選ばないことを決意します。この選択は、キャリアの成功よりも自分自身の価値観や人間関係を大切にする姿勢を強調しています。
作品からのメッセージ
■自己実現と幸せの定義
作品は自己実現と幸せの定義が人によって異なることも示しています。 ミランダのようにキャリアの成功を追い求める人もあれば、アンディのように私生活や自分の価値観を重視する人もいます。結局のところ、自分が何を大切にし、どんな生き方が幸せにつながるか分かることが大事であると映画は教えます。
まとめ
『プラダを着た悪魔』は、キャリアと自己実現、そして人生の選択に関する深いメッセージを持つ作品です。
アンドレアの姿からは成長、自己を見失わずにキャリアを追求することの難しさと重要性が描かれ、ミランダの姿からは成功には代償が必要でそこには必ず孤独が付きまとう点を描いています。
現代の働く全ての女性が仕事とプライベートのバランスについて考えさせられる映画です。
最後までご愛読いただきありがとうございました。
ハンター田中