基本情報
公開年:2015年
上映時間:121分
ジャンル: ドラマ/コメディ
監督:脚本:ナンシー・マイヤーズ
主演:ロバート・デ・ニーロ(ベン・ウィテカー役)
:アン・ハサウェイ(ジュールズ・オースティン役)
アン・ハサウェイが大好きなため、本作は公開日に観に行きました。
ジュールズとベンの世代を超えた友情やお互いを理解しようとする心理描写が心地よいため、ハンター田中としては強くお勧めしたい作品です。
あらすじ
70歳で妻と死別したベン・ウィテカーは退職後の退屈な生活から抜け出すため、シニアインターンプログラムに応募して、ファッション通販会社の創業者ジュールズ・オースティンの元で働くことになる物語です。ベンは配属時にデジタルや近代の働き方に戸惑いながらも、すぐにその豊富な経験と人柄で現場に目を向け、周囲から信頼を得ます。
ジュールズは、急成長する会社のCEOでありながら、仕事と家庭のバランスに悩んでいます。 彼女の激務は夫や子供との関係に悪影響を与え、常に会社の将来にも不安を感じています。ベンは彼女の支えとなり、人生経験から得た知恵を使ってジュールズが抱える課題を共に乗り越えていきます。
エピソードに対する考察
■ベンの年齢と人柄
ベンは短い期間の中で急速に周囲と人間関係を築き上げて好かれていきます。その要因は素直で周囲に気を配れて、年齢を積み重ねたことで得た彼の経験が大きく関係しています。
具体的なシーンとしては同僚が恋愛で上手くいかない場合、ベンは否定せず、何か言うわけでもなく、表情で気付きを与えます。結果、同僚は彼女にメールではなく直接謝りに行くことを決意しました。
■ベンとジュールの関係構築のきっかけ
ジュールはベンが自身の下に配属されることを快く思いませんでした。ベンはジュールのために何かしたいと考えますが、「貴方に任せられる仕事はない」「指示があればメールするわ」と煙たがられてしまいます。そのため、ベンは自ら考え、デスクスペースが乱雑な状況をジュールは「精神衛生上良くない」と言っていたことを思い出し、朝早く出社して片付けを行いました。
ただ、それだけ?と感じるようなエピソードですが、悪しき習慣として約200名の社員が見て見ぬふりをしてきた習慣をベンだけは改善しようとしたのです。ジュールは喜び、ベンに微笑むのでした。
■ベンの異動命令と謝罪
ジュールはプライベートを社内の人間には隠したいと考えるタイプです。気配りや変化にすぐ気付けるベンが自宅で自身の夫や子のペイジに接触する事を不都合と感じました。その結果、キャメロンに「目ざとい」という理由でベンの異動を命じます。
ただ、その後にジュールはベンの過去と現在のオフィスの関係性、Facebook登録時の会話、送迎時にジュールのイビキに対して「気付かなかった」と気遣いができる点を高く評価します。
そして、翌日ベンを異動させた事実を思い出したジュールは、自らベンを迎えに行き、謝罪するのでした。
作品からのメッセージ
■世代を超えた友情と支え
『マイ・インターン』は、世代の間の壁を越えた友情が人生に与える影響を強く示しています。ベンはジュールズにとって、父親のような存在であり、彼女の悩みや不安に対して共感し、頼りになる助言を与えます。 この関係は、年齢や時代に縛られず、人間同士が支え合うことの重要性を示しており、観客に温かい感動を与えます。
■キャリアと私生活のバランス
ジュールの物語を通して、映画は「キャリアの成功だけが人生の成功ではない」というメッセージを伝えています。彼女は、仕事に集中するあまり家族や自分自身を疎かにしてしまいます。ベンとの出会いが彼女に新たな視点を与え、人生全体のバランスを取り戻す過程が描かれます。これは、現代の働き方に関して多くの人が決断する問題であり、映画はその解決策を考えるきっかけになります。
まとめ
『マイ・インターン』は世代を超えた友情とキャリアと家庭のバランスの重要性をじっくり描いた作品です。
ジュールは客観的に見ればビジネスで成功した女性CEOですが家庭で問題を抱えていて、ベンは年の功とも言える素晴らしい経験を持ちますが活かす場がない。
本来では出会うことのない二人が出会うことで化学変化のような影響を与え合います。そんな様子が非常に心地よい作品でした。
ご愛読いただきありがとうございました。
ハンター田中